秘 剣 / 白石一郎著 [読書の楽しみ]
秘 剣 / 白石一郎著
海洋時代小説の第一人者である著者の初期作品。
海洋物の他、「十時半睡事件帖」の方が馴染み深いかも。
「信念に生き信念に死ぬ誇り高き者たちの織りなすさまざまな
人間ドラマ」と本文の紹介にあるように、
金のため、保身のため、汲々と生きる周囲とは別に、まさに
己の信念のままに生き、敗れていく者たちを描き出しています。
表題作である「秘剣」では、剣術師範の父から失格の烙印を
押され左手の指を切り落とされた主人公が、周囲の侮蔑の目に耐え
秘剣を編み出したことを誰にも語らずにいるが、組頭の末娘である
信乃との婚姻話が持ち上がり・・・
昭和30年代に発表された作品ではありますが、
ほとんど言葉を交わすこともなく主人公に惹かれてゆく信乃の決意、
そして最後に明かされる主人公の心情・・・
その生き様の美しさに胸打たれるのは翁だけではありますまい。
士道という縛られた世界に生きながらも、その生を全うしようとする
強い意志に感動します。
翁が読んだ時代小説の中でも白眉の作品であります。
海洋時代小説の第一人者である著者の初期作品。
海洋物の他、「十時半睡事件帖」の方が馴染み深いかも。
「信念に生き信念に死ぬ誇り高き者たちの織りなすさまざまな
人間ドラマ」と本文の紹介にあるように、
金のため、保身のため、汲々と生きる周囲とは別に、まさに
己の信念のままに生き、敗れていく者たちを描き出しています。
表題作である「秘剣」では、剣術師範の父から失格の烙印を
押され左手の指を切り落とされた主人公が、周囲の侮蔑の目に耐え
秘剣を編み出したことを誰にも語らずにいるが、組頭の末娘である
信乃との婚姻話が持ち上がり・・・
昭和30年代に発表された作品ではありますが、
ほとんど言葉を交わすこともなく主人公に惹かれてゆく信乃の決意、
そして最後に明かされる主人公の心情・・・
その生き様の美しさに胸打たれるのは翁だけではありますまい。
士道という縛られた世界に生きながらも、その生を全うしようとする
強い意志に感動します。
翁が読んだ時代小説の中でも白眉の作品であります。
2012-11-28 13:57
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コメント(2)
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時々、時代小説を読みたくなりますね。
時代劇もそうだけど、人情物などあり今の時代に無いものがあり、惹かれるのかも知れません。
このところ、新版が少ないのは残念です。
by sat0204 (2012-11-29 21:06)
大江とか村上とかつまらんのが増えて、日本の現代小説は
まったくどうしようもないな。
時代小説や志怪小説、生物学や物理学の本ばかり読んどるよ。
「1Q84」とかどこがいいの?
中国のノーペル賞作家もひどいが、こいつも金の亡者だろ~(笑
by Kinsaku (2012-11-30 07:17)