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翼竜の謎 / 金子隆一、長尾衣里子、中野美鹿 共著 [読書の楽しみ]

翼竜の謎 / 金子隆一、長尾衣里子、中野美鹿 共著

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現代小説がつまらなくなってからというもの、古生物学や物理学の本とかを
探しては読んでいます。 カンブリア紀の生物とかも面白いんですが、
今回は恐竜時代の生物を扱った「翼竜の謎」を取り上げてみたいと思います。

恐竜の本と言うと、大きかった、獰猛だった、みたいな本も無きにしもあらずで、
その全体像は置き去られたまま、部分的な考察も多いかと思われます。

本書は翼竜・首長竜・魚竜・哺乳類型爬虫類を取り上げ、各国の研究者の説を
余すことなく紹介した上で著者の説も披露し、非常に学術的なだけでなく、
素人の私達が読んでも理解し納得することが出来る良書であります。

翼竜の項でのベルンホーファーの説、首長竜の項でのバッカーの説、
魚竜の項での日本産ウタツ魚竜の話、哺乳類型爬虫類の項でのディメロトドンの話。
どれをとっても、今迄漠然と思い込んでいたものが、最新の研究や学説によって
大きく変わっていることが分かるかと思います。 特にバッカーの説については
是非ともご一読をお薦めします。 進化論が根底から覆されるような興奮を味わえ
るかと思います。

翁がお薦めするのは、その科学的な冷静かつ理論的な語り口だけでなく、
大変格調高い文章で各編が構成されていること。
読後には深い感慨とともに、古の生物たちへの興味を掻き立てられることでしょう。

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秘 剣 / 白石一郎著 [読書の楽しみ]

秘 剣 / 白石一郎著

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海洋時代小説の第一人者である著者の初期作品。
海洋物の他、「十時半睡事件帖」の方が馴染み深いかも。

「信念に生き信念に死ぬ誇り高き者たちの織りなすさまざまな
 人間ドラマ」と本文の紹介にあるように、
金のため、保身のため、汲々と生きる周囲とは別に、まさに
己の信念のままに生き、敗れていく者たちを描き出しています。

表題作である「秘剣」では、剣術師範の父から失格の烙印を
押され左手の指を切り落とされた主人公が、周囲の侮蔑の目に耐え
秘剣を編み出したことを誰にも語らずにいるが、組頭の末娘である
信乃との婚姻話が持ち上がり・・・

昭和30年代に発表された作品ではありますが、
ほとんど言葉を交わすこともなく主人公に惹かれてゆく信乃の決意、
そして最後に明かされる主人公の心情・・・

その生き様の美しさに胸打たれるのは翁だけではありますまい。

士道という縛られた世界に生きながらも、その生を全うしようとする
強い意志に感動します。

翁が読んだ時代小説の中でも白眉の作品であります。

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LIVE ! オデッセイ / 狩撫麻礼作 谷口ジロー画 [読書の楽しみ]

LIVE ! オデッセイ / 狩撫麻礼作 谷口ジロー画

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漫画の話が出たついでに、コミックの紹介を。

狩撫麻礼の熱い原作と谷口ジローの描くクールな画像。
70~80年代のロックを聞いていた方にはグッとくると思います。
副題として付いているのが、「複製時代の偽叙事詩」。

漫画なので詳しくストーリーを書きませんが、アメリカ帰りの
主人公オデッセイが、ロック界の頂点を極めるまでを描いています。

間に挟まるセリフがまたキまってるんですよ!!
(以下、オ:オデッセイ マ:マネージャー の発言)

マ:「痴的中産階級のカスどもの耳に合わせた企画と製作にはウンザリだ。」

マ:「無名の時から仕事を選ぶのが、グレート・ソウル・バンドってものさ。」

オ:「富と名声・・・、資本との格闘でスポイルされちまうような歌は、
   もともとその程度の歌なのさ。」

オ:「あんたの辞書で、"LIVE ! "を何と訳す?」
マ:「ククッ、生きる!燃える!殺す!・・・ETCだ。」
オ:「アハハハ・・・らしいね。」
マ:「おまえの辞書では?」
オ:「いきあたりばったり・・・さ。」

最後は、Albert Aylerの次の言葉で締め括られています。
 - Music is the healing force of The Universe -

これはもう見つけたら即購入で。
最高です!!

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