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On The Beach / Neil Young [一家に一枚の音盤]

On The Beach / Neil Young

On_The_Beach.jpg

01. Walk On
02. See The Sky About To Rain
03. Revolution Blues
04. For The Turnstiles
05. Vampire Blues
06. On The Beach
07. Motion Pictures
08. Ambulance Blues

Buffalo Springfield ~ Crosby, Stills, Nash & Young ~ Solo
日本のフォーク界にも多大な影響を与えた、Neil Young の7作目。

大方の人が4作目「Harvest」とシングル「Heart Of Gold(邦題:孤独の旅路)」を
推すのでしょうが、発売当時酷評された本作こそが彼の最高作と翁は思っています。

曲名に、「~ Blues」というのが多くありますが、別にベタベタのBluesを演ってる訳では
ありません。 彼の心象風景が曲名になっているのだと思います。

「青春の蹉跌」そのままに、青年期の不安定な感情を題材にし、時には政治的に怒れる若者
として曲を書いてきた彼の姿はここにはなく、突き抜けてしまった侘しさ・明るさがあります。
ジャケットの砂浜に車が埋没しているのも、物質的なものを捨て去ってしまったかの如く。
映画「猿の惑星」のラストで自由の女神が砂に埋もれている図さえ想像させます。

01.Walk On から彼とは思えない妙に明るいメロディ。
陽が照っているのに冷たい風が吹き抜ける冬のような情景。

06.On The Beach からのラスト3曲の凄みは筆舌に尽くし難く、聴いて頂くしかありません。

06.On The Beach での音数を抑え肺腑を抉るようなギターソロ。
07.Motion Pictures すべてが物憂げな、生きていることの境までもがあやふやになるようなメロディ。
08.Ambulance Blues では、アコースティック・ギターにフィドルとハーモニカという編成で、
ギター・チューニングを下げて(多分1音下げ)の正に名曲名演であります。

翁は俗に言うフォーク系はあまり得意ではありませんが、Neil Young は別格の存在。
彼に影響を受けたと思われる日本のフォーク系が、つまらぬ私小説さながらの軽薄さに傾いて
しまった惨状を見ると、尚の事、彼の偉大さが判ると言うものです。

今回は本盤を取り上げましたが、彼のAlbumはどれも素晴らしい出来。
一家に一枚は置いて頂きたいものです。

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Citizen Khin / Greg Khin [一家に一枚の音盤]

Citizen Khin / Greg Khin

Citizen_Kihn.jpg

01. I'm In Love Again
02. Go Back
03. Lucky
04. Whenever
05. Privacy
06. Free Country
07. They Rock By Night
08. Boys Won't
09. Imitation Love
10. Temper Temper
11. Good Life

明けましておめでとうございます。
今年も言いたい放題の爺のBlogに、宜しくお付き合いの程お願い致します。

MTV華やかりし頃、「Jeopardy」なる曲が流行ったのを覚えておいででしょうか?
結婚式に臨む新郎(Khin 本人)が、現実と悪夢のような幻想の間を揺れ動く内容のPVで、
ギターを手にゾンビと戦い、最後は美人の奥さんを手にするという他愛のないPV。
これが売れたせいで、続編と続々編と3部作構成になっているというのも御愛嬌。

・Jeopardy (Kihnspiracy : 1983)
・Reunited (Kihntagious : 1984)
・Lucky (Citizen Kihn : 1985)

それぞれ一曲のPVで1枚づつ盤を出しているのも商売上手ってもんですな。(笑
「Kihnspiracy」と「Kihntagious」は、Greg Khin Band 名義なんですが、
何故か当盤は Greg Khin のソロ名義となっています。

PVでは結婚に対する恐れに打ち勝ち美人の妻を貰った(Jeopardy)のはいいが、
美人の妻はデブの恐ろしいオバタリアンと化し(Reunited)、家を飛び出した挙句に
やっと優しくこれまた美しい女性と巡り会う(Lucky)というお話。

当盤も含めてAlbumとしてみれば、売れた曲以外は大したことなくて(しかも一曲)
名盤とはとても言えませんが、Greg Khin の人柄とか好みの音楽とかが、朴訥として
心に響きます。

例に漏れず、03.Lucky が最大の聴きどころ。

"Games, I never used to play. Cause everytime I'd lose."
(ゲームはしない、負けてばかりだったから・・・)

と、歌い始まるこの曲は「禍福は糾える縄の如し」という格言をそのままに、
人生の悲哀と喜びを伝えてくれると言ったら言い過ぎですかね。(笑

ヘビィなベース音と好対照なペラペラのギター・サウンド。
Khin の朴訥として噛み締めるような唄いっ振り。
まるで手抜きのようなチープなPVの作り。
けれども聴いていると何となくほのぼのとリラックスしてくる心地良さ。
しかも何気にダンサブル。
Youtube にPVが残っていますので、是非ご覧頂ければと思います。

この曲は信じられないことにマキシ・シングル(LP盤の大きさのシングル)まで出ています。
日本でも売ってたんだよ。 でも、輸入版をそのままパッケージしたみたいなこれまた
チープな物でした。(それがまた Greg Khin らしい)

紹介しておいて失礼な話ですが、当盤は現在のところ廃盤です。
「Kihnsolidation」というベスト盤でPVの全3曲を聴くことが出来ます。

"I almost lost it all. And then I, I got lucky. Ooh, I got lucky."
この曲のように皆さまが今年1年幸せでありますように。

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Livestock / Brand X [一家に一枚の音盤]

Livestock / Brand X

Live_Stock.jpg

01. Nightmare Patrol
02. Ish
03. Euthanasia Waltz
04. Isis Mourning (Part-1)
05. Isis Mourning (Part-2)
06. Malaga Virgen

寒い冬がやって来ましたな。
爺には寒いのはどうもいけません、夜長に静かに熱く聴いて頂きたいAlbumということで。

今回ご紹介するのは英国のプログレッシブ・バンド Genesis のQPおじさんこと
ドラマーの Phil Collins が参加したバンド、Brand X のLiveであります。

「The Lamb Lies Down On Broadway」(邦題:幻惑のブロードウェイ)で Genesis の看板
Peter Gabriel が脱退し一時は存続が危ぶまれましたが、彼を中心しとて新生Genesisは
'76年に「A Trick Of The Tail」を発表しています。

Gabriel 在籍時のまるで「鉄の10世紀」そのままの怪奇志向の音楽から、POPな路線へ変換して
いくのですが、「A Trick Of The Tail」では抒情性豊かな音を聴かせてくれます。
翁的にはPOPになり過ぎた頃よりも、後期Genesisの最高作と言っても過言ではありません。

本作はその翌年'77年にリリースされた Brand X の Live Album。
01.Nightmare Patrol と 06.Malaga Virgen には Collins は参加しておらず、Kenwood Dennard が
ドラムを叩いています。 ギターの John Goodsall は一時期以前ご紹介した「Atomic Rooster」
にも在籍していました。

曲名もカッコいいが演奏もスゴい!! 01.Nightmare Patrol から始まり、1st Album の名曲
03.Euthanasia Waltz 等、高度なテクニックを駆使した素晴らしい演奏を堪能させてくれます。

Phil Collins のドラマーとしての技量もさることながら、John Goodsall のギター、
Percy Jones のフレットレス・ベース等々、当時一世を風靡したクロスオーバー系への英国側から
の回答のような楽曲群。 陰翳のあるサウンドと張り詰めた緊張感は名盤の名に相応しいものです。

ジャケットはおなじみの Hypgnosis によるもの。

Phil Collins は80年代に入りソロ活動を本格化し、MTVなどで大ヒットをカッ飛ばしたことは
皆さんご存知の通り。 当時は Clapton とかのセッションでも引っ張りだこでしたな。

以降の Brand X はメンバーの出入りも激しくこれと言った盤も出していないのが残念ですが、
本作は間違いなく彼らの最高傑作であり、Jazz-Rock の名盤であります。

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